先日猫ちゃんのセカンドオピニオンで来院された方で、他院にてALP上昇を指摘されましたが肝臓が悪いので食事に気を付けましょうと言われ2年ほどそのまま様子見をしていた方が来院されました。ご飯は食べるし、元気はあるけど体重減少や嘔吐を繰り返すといった主訴でした。
犬ではALPの上昇は軽度であればストレスなどで簡単に上昇しますが猫ではそうではありません。大きな病気が隠れていることがあります。1歳くらいまでの猫ちゃんでは骨由来のALPが高い値を示すこともありますが、成猫になってからのALP上昇は要注意です。本人が元気があるため様子見になっていた猫ちゃんですが実は精査が必要です。
ALPは体の中の半減期(簡単に説明すると体からなくなる時間)というものが犬では72時間程度、猫では6時間程度と言われています。そのため犬では簡単にストレスなどで上昇する値ですが猫はなかなか上昇しません。そのため軽度の肝障害程度では上昇しないことも多く、上昇した場合は重篤な病気の可能性が考えられます。
猫のALP上昇の鑑別リストは甲状腺機能亢進症、糖尿病、胆管肝炎、脂肪肝(肝リピドーシス)など重篤な病気ばかりになります。
どの病気も重篤な病気ですが、高齢の猫ちゃんで多いのは甲状腺機能亢進症と糖尿病になります。初期症状は多飲多尿などであまり重篤な症状はでませんので腎臓がすこしわるくなったのかなぐらいに思うことも多く重症化してから来院される方も少なくありません。
もちろん犬でも重度に上昇していれば副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などを疑いますが、猫では上昇していればたとえ軽度な症状であったとしても精査をお勧めします。
ちなみに今回のセカンドオピニオンの猫ちゃんは検査の結果、甲状腺機能亢進症であることがわかりましたのでその治療を開始しました。肝臓が悪いといわれたのに実はホルモン異常だったのです。甲状腺機能亢進症は現在は療法食で治療することが多くご飯を変更するだけで治療になるのです。肝臓の治療をしてもこの猫ちゃんにはあまり意味がありませんので、今後は食事による甲状腺機能亢進症のケアを実施することになります。
セカンドオピニオンに関してお困りの飼い主様は上板橋、常盤台(ときわ台)の動物病院である上板橋リズ犬猫病院に是非ご相談ください。